家族に何部も配りたい、表紙をしっかりさせたい、という場合は、印刷会社の冊子印刷が選べます。家庭のプリンターやコンビニの印刷との比べ方は「家族の一冊を印刷・製本する方法」にまとめています。
この記事は、印刷会社に頼むと決めたあとの準備です。原稿をどんな形のデータにして渡すかを、順に確かめます。条件は印刷会社ごとに違うため、例として、ネット印刷のプリントアースの案内(2026年10月13日確認)で、どう書かれているかも添えます。
先に決める4つのこと
- 大きさ:家族の本なら、A5(148×210mm)やB5、A4がよく使われます。このサイトのキットはA5で作っています。
- 綴じ方:中とじか、無線とじか(下で比べます)。
- 部数:本人用、きょうだい、孫など、渡す相手を数えます。
- 縦書きか横書きか:綴じる向きが変わります。
ページ数の数え方
- 表紙も1ページと数えます。 表紙・表紙の裏・裏表紙の裏・裏表紙の4ページを含めて数えます。プリントアースの中とじの案内でも、表紙を1ページとして指示するよう書かれています。
- 中とじは、4の倍数にします。 1枚の紙を二つ折りにして重ねるので、紙1枚で4ページ分になるためです。
- 原稿が4の倍数にならないときは、最後に白いページ(メモの欄や「あとがき」)を足して調整します。
中とじと無線とじ
| 綴じ方 | つくり | 向いている本 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 中とじ | 二つ折りにした紙を重ね、折り目を針金(ホチキス)で留める | ページの少ない本。見開きで写真を大きく見せたい本 | ページ数は4の倍数。ページが多いと厚くなりすぎる |
| 無線とじ | 背の部分を糊で固め、表紙でくるむ | ページの多い本。背表紙にタイトルを入れたい本 | 真ん中が根元まで開かないので、見開きにまたがる写真や文字は見えにくくなる |
プリントアースの案内では、中とじは8ページから、ホームページで注文できるのは96ページまで(それ以上は相談)と説明されています。無線とじは、ページ数の多い冊子向けで、用途の例に自分史や記念誌も挙げられています。
無線とじは、ページ数と紙の厚さで背の幅(背幅)が決まります。表紙のデータは、背幅を含めた大きさで作る必要があります。背幅の計算のしかたは、頼む印刷会社の案内で確かめます。
綴じる向き
- 縦書きの本は右綴じ:右側を綴じ、ページは右から左へ進みます。
- 横書きの本は左綴じ:左側を綴じ、ページは左から右へ進みます。
注文の画面で綴じる向きを選ぶところがあれば、原稿に合わせます。向きをまちがえると、ページの順番が逆になります。
塗り足しと余白
- 塗り足し:写真や色のついた背景を、紙の端まで印刷したいときは、仕上がりの大きさより外側まで伸ばしておきます。紙を切るときに少しずれても、白いすき間が出ないようにするためです。プリントアースの案内では、仕上がりの外側に上下左右3mm以上の塗り足しと、トンボ(切る位置の印)をつけるよう書かれています。塗り足しがないと、白いふちが出る場合があるとも説明されています。
- 余白:文字や大事な写真は、紙の端ぎりぎりに置かず、内側に余裕をもたせます。どれだけあけるかは、印刷会社の案内で確かめます。
背景が白で、写真も紙の端まで広げないなら、塗り足しで悩むことは少なくなります。はじめての一冊は、白い背景で作るのも一つの方法です。
PDFに書き出す
文書作成アプリで作った原稿は、PDFに書き出してから渡すのが基本です。
- プリントアースの案内では、Microsoft Office・Canva・Affinity で作ったデータは、PDFに変換してから入稿するよう書かれています。Office のファイルのまま入稿すると、変換の料金がかかります(1ページ1,000円。冊子の場合は、商品ごとのオプションの画面で金額を確かめるよう案内されています)。Office から PDF に保存したデータなら、変換の料金はかからないと説明されています。
- 同じ案内では、推奨の形式として PDF/X-1a または PDF/X-4 が挙げられ、フォントのアウトライン化、画像の埋め込みも求められています。設定が難しい場合は、PDFの校正をつけて、仕上がりを事前に確かめるよう勧めています。
- 書き出したPDFは、自分でも開いて確かめます。文字化け、改行のずれ、写真の抜け、ページの順番を、最初から最後まで見ます。
キットのテンプレートは家庭で試すためのものです。印刷会社に出すときは、塗り足しなどを、頼む会社の条件に合わせて作り直します。
校正をつける
はじめて頼むときは、本番の前に仕上がりを確かめられる「校正」をつけると安心です。
- プリントアースの中とじの案内では、印刷用のPDFを画面で確かめる「PDF校正(画面校正)」を、オプションとして無料で使えると書かれています。
- 紙に刷った見本で確かめる校正もあります。料金や届く形(製本した状態か、紙のままか)は、大きさや商品ごとに違います。
部数と料金
- プリントアースでは、料金表は、大きさ・色・用紙・オプションを選んだあとに、納期と一緒に表示される仕組みです。部数やページ数を変えて、何通りか比べてみます。
- 中とじの案内のページには「最小ロット25冊から」と「1部から発注可能」の両方の記載がありました(2026年10月13日確認)。少ない部数で頼みたいときは、注文の画面か問い合わせで確かめてください。
- 注文した部数とは別に、予備が数部つく場合があると案内されています(オプションによってはつかない)。
冊子印刷を頼めるネット印刷の一つとして、ネット印刷通販のプリントアース広告があります。ほかの印刷会社と比べるときも、ここに挙げた点(ページ数の決まり、塗り足し、受け付けるデータ、校正、部数)を同じように確かめると、違いがわかりやすくなります。
家族の話を預けるとき
- 印刷会社に渡すデータには、家族の個人的な話や写真が入ります。本人の確認がすんだ原稿で、印刷に出してよいか本人に確かめてから頼みます。
- データの保管や削除の扱いは、注文する前に確かめます。プリントアースでは、データの保管があり、増刷はマイページからデータを入稿しなおさずに注文できると案内されています。保管を望まないときの扱いも、あわせて確かめておきます。
- 写真に写っている人の了承も、先にもらっておきます(「古い写真をデジタル化して本に使う」)。
最後に、次のことを確かめておきましょう。
- 大きさ・綴じ方・部数・縦書きか横書きかを決めた
- 表紙を含めてページ数を数え、中とじなら4の倍数にした
- 紙の端まで印刷するものには、塗り足しをつけた
- PDFに書き出し、最初から最後まで自分で開いて確かめた
- 校正のつけ方、部数ごとの料金と納期、データの扱いを確かめた
