録音ができたら、次は文字にします。ただ、何時間もある録音を、最初から最後まで全部文字にする必要はありません。本の1章に使うのは、その一部です。
この記事では、録音を文字にする3つの方法と、選び方をまとめます。何を残し、どう直すかの決まりは「録音した話を文章にするときに残したい言葉」にあります。
このサイトには、録音や文字起こしの機能はありません。 文字にした言葉は、1章づくりに書き写して並べられます。
全部を文字にしなくてよい
まず、録音を一度通して聞き、使いたい場面に時刻のメモをつけます。
12:30〜15:10 疎開先の家の話31:05〜33:40 初めての給料で買ったもの
本に使いそうなところだけを文字にすれば、手間はずっと少なくなります。ほかのところは、メモのまま残しておけば、あとで探せます。
3つの方法の比べ方
| 方法 | 向いている場合 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 手で書き起こす | 数分〜数十分ほど。言い方の特徴まで残したい | 時間がかかる。こまめに止めて聞き返す |
| 音声入力で言い直す | 手で打つのが大変。録音の声が聞き取りにくい | 自分の言葉に言いかえてしまいやすい。設定によっては音声が端末の外で処理される |
| 自動の文字起こしサービス | 長い録音を、まず下書きにしたい | 料金とデータの扱いを先に確かめる。本人の了承をもらう。必ず録音と照らし合わせる |
どの方法でも、最後は録音と照らし合わせて直します。自動で文字にしたものも、下書きとして扱います。
まず10分だけ試す
どれくらい手間がかかるかは、録音の聞き取りやすさ、話し方、使う方法で大きく変わります。先に試して見積もります。
- 録音の中から、使いたい場面を10分だけ選びます。
- 方法を1つ決めて、その10分を文字にします。
- 録音と照らし合わせて直すところまでで、かかった時間をはかります。
- その時間をもとに、使いたい場面の全部にかかる時間を見積もります。
思ったより時間がかかるときは、文字にする場面を減らすか、方法を変えます。
手で書き起こすとき
- 再生の速さを少し遅くできるアプリだと、聞き取りやすくなります。
- 1文ずつ止めて書き、数秒戻して聞き返します。
- 区切りのよいところに、録音の時刻を書いておきます(例:
[12:30])。あとで録音と照らし合わせるときに、すぐ戻れます。 - 聞き取れないところは、推測で埋めずに
〔聞き取れない 12:41〕のように、印と時刻を残します。 - 相づちや言い直しをどこまで残すかは、先に決めておきます(「話し方の特徴を、どこまで残すか」)。
音声入力で言い直すとき
イヤホンで録音を少しずつ聞き、聞いた言葉を、自分の声でスマートフォンやパソコンの音声入力に言い直す方法です。手で打つより楽に感じる人もいます。
- 言い直すときに、自分の言葉に言いかえてしまいやすいので注意します。「」に入れる言葉は、聞いたとおりに言います。
- 方言や昔の言い方は、音声入力で別の言葉に変わることがあります。録音と照らし合わせて直します。
- 音声入力は、設定によっては音声が端末の外で処理される場合があります。使う前に、端末やアプリの設定と利用条件を確かめてください。
文字起こしサービスを使うとき
使う前に、本人に「どのサービスで文字にするか」を伝えて、了承をもらいます。録音には、ほかの家族や知人の話も含まれます。サービスの利用規約とプライバシーポリシーで、音声がどこに保存され、いつ消されるか、何に使われるかを確かめます。病気やお金のことなど、特に慎重に扱いたい話は、外部のサービスに入れないという選び方もあります。
録音ファイルを送ると、自動で文字にしてくれる有料のサービスがあります。たとえばWITH TEAM AI文字起こし広告は、公式の案内で次のように説明しています(2026年10月13日確認)。
| 項目 | 公式の案内 |
|---|---|
| 料金 | 音源1分あたり30円(税込33円)。最低料金は税込66円から。初期費用・月額の利用料はなし |
| 支払い | クレジットカードのみ |
| 送れるファイル | wav・flac・mp4・mp3・m4a。1ファイル1GB・6時間(360分)まで |
| 対応する言葉 | 日本語 |
| 無料で試す | 音源の冒頭部分を無料で文字にできる |
| 音源の扱い | アップロードした音源は1か月後に自動で削除。無料のお試しで送った音源は、文字起こしのあとすぐに削除 |
| できあがり | 時刻(タイムコード)なしはテキスト形式、時刻つきはCSV形式 |
料金は録音の長さで決まるので、使う場面だけを切り出して送ると安くすみます。上の料金なら、30分の録音で990円(税込)の計算になります。料金や条件は変わることがあるため、申し込む前に公式の案内で確かめてください。
同じサービスの案内でも、複数の人が同時に話すと話し手の見分けがつきにくいこと、聞き取りにくい声や方言、固有名詞の多い話は正確に聞き取るのが難しいことが説明されています。家族の話は、方言や人の名前、地名が多くなりがちです。まず無料のお試しで、聞き取れ方を確かめるとよいでしょう。
なお、同じ運営会社の、人の手による文字起こしのサービス(WITH TEAM 文字起こし)は、2026年9月30日で終了したと公式サイトで案内されています(2026年10月13日確認)。
文字にしたあと
- 録音と照らし合わせて、違うところは録音のほうに合わせます。自動で文字にした場合は、特に人の名前・地名・数字を確かめます。
- 引用(「」の中)と、聞き手のまとめを分けます。
- 本人に読んでもらい、直したいところ、載せたくないところを聞きます。手順は「本人への確認」にあります。
- 録音の元のファイルは、文字にしたあとも残しておきます。保存のしかたは「親の話を録音する前の準備」の「録ったあとの保存」にあります。
最後に、次のことを確かめておきましょう。
- 録音を一度聞いて、使いたい場面に時刻のメモをつけた
- 10分だけ試して、かかる時間を見積もった
- 聞き取れないところに、印と時刻を残した
- サービスを使う場合は、本人の了承をもらい、料金とデータの扱いを確かめた
- 文字にしたものを録音と照らし合わせ、本人に確かめた
