子どもが保育園や学校から持ち帰る絵や工作は、1年でかなりの量になります。全部を取っておくと置き場所がなくなり、かといって捨てるのは気が引ける、という人は多いでしょう。
先に結論を書きます。持ち帰ったらその日のうちに写真に撮り、本人の説明を一言書き添えておきます。 現物は「残す」「撮って手放す」「しばらく飾ってから決める」の3つに分けます。年度の終わりに、撮りためた写真から選んで1冊にまとめると、作品の記録が家族の本になります。
持ち帰ったら、まず撮る
作品は、持ち帰った日がいちばん状態がよく、本人もまだ何を描いたかを覚えています。分けるのはあとでかまいません。先に撮って、言葉を残しておきます。
- 「何を描いたの?」と聞いて、本人の言葉をそのまま書き留めます。言い直したり、大人の言葉に置き換えたりしません。
- 日付と年齢(学年)を一緒に記録します。
- 作品の裏に名前や日付が書いてあれば、裏も撮っておきます。
3つに分ける
| 分け方 | 入れるもの | そのあと |
|---|---|---|
| 残す | 本人が特に大事にしている、初めて描いた家族の顔、名前を初めて書いたもの | 箱に入れる。1年に1箱など、量を決めておく |
| 撮って手放す | 似たような作品、プリントの課題、大きくて場所をとる工作 | 写真と言葉を残してから手放す |
| 飾ってから決める | 本人が飾りたがっている、迷うもの | 1〜2か月飾って、次の作品と入れ替えるときに決める |
どれを残すかは、親だけで決めずに、本人にも聞きます。小さな子どもでも「これは取っておきたい」と言うものがあります。本人が選んだものを優先し、親が残したいものは、その次に入れます。
手放すときに子どもが嫌がる場合は、無理に進めず、「写真に撮ったからいつでも見られるよ」と一緒に写真を見てから決めます。
平らな絵を撮る
絵や貼り絵などの平らな作品は、ゆがみと反射を防ぐことが大切です。
- 明るい窓の近くで、直射日光の当たらない場所に置いた
- 床や机に置き、作品の真上からスマートフォンを平行に構えた
- フラッシュを使わず、部屋の照明やスマホの影が映り込まない位置を探した
- 作品の周りに少し余白を入れて撮り、あとで切り取った
- 大きな作品は、壁に貼って正面から撮った
クレヨンやのりで表面がでこぼこしていると、光の当たり方で影ができます。窓の光が横から当たるときは、反対側に白い紙を立てると、影がやわらぎます。
取り込みの基本は「古い写真をデジタル化して本に使う」の撮り方と同じです。
立体の作品を撮る
工作や粘土の作品は、1枚では形が伝わりません。
- 正面・横・上からの3枚を撮ります。
- 背景に白い紙や無地の布を敷くと、作品が見やすくなります。
- 大きさがわかるように、1枚は子どもが手に持っているところか、定規やペンと並べたところを撮ります。
- 動くもの、音が出るものは、短い動画も撮っておきます。
作品に添える言葉の型
作品の写真には、次の4つを書き添えておくと、何年たっても読み返せます。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 日付・年齢 | 2026年6月、5歳(年中) |
| 作ったところ | 保育園の「父の日」の制作 |
| 本人の言葉 | 「パパが釣りをしてるところ。魚が3びき」 |
| 家族のメモ | 魚を数えながら、うれしそうに渡してくれた |
本人の言葉は、聞いたとおりに書きます。わからないことは推測で書かずに、「何を描いたかは聞きそびれた」と書いておけば十分です。書き方は「写真に添える言葉の書き方」にまとめています。
年度末に1冊にまとめる
1年分の作品の写真がたまったら、年度の終わりにまとめます。
- 撮りためた写真から、その年を表す作品を10〜20点選びます。本人にも選んでもらいます。
- 日付の順に並べ、添えた言葉を短く整えます。
- フォトブックや、写真をはさむアルバムにします。作り方は「家族の写真を、一冊のフォトブックやアルバムにする」にまとめています。
その年の子どもの写真と一緒に1冊にする方法もあります。1年分の写真の選び方は「子どもの写真を1年ごとに整理する」をご覧ください。
現物を残すときのしまい方
残すと決めた作品は、紙が傷まないようにしまいます。国立国会図書館のパンフレットでは、高い温度と湿度、不十分な掃除、長い時間光が当たることなどが、虫の害やカビ、変色を招くとしています。同館では、将来さびるホチキスの針などの金属を取り除き、中性紙の保存容器を使っていると紹介しています(国立国会図書館「国立国会図書館と資料保存」2026年1月。2026年10月27日に確認)。家庭でも、同じ考え方が参考になります。
- 平らな作品は、大きめの封筒や平らな箱に重ねて入れます。のりや絵の具が乾いていないものは、乾かしてから入れます。
- 箱には、年度と子どもの名前を書いておきます。
- 湿気のこもる押し入れの床や、日の当たる場所を避けます。
ほかのしまい方の注意は「写真や手紙の原本を傷めずにしまう」にあります。
