家の押し入れや引き出しに、昔のカセットテープが残っていることがあります。子どものころの家族の声、祖父母の歌、旅行先で録った会話。家族の本の材料になることもあります。
国立国会図書館は、録音テープなどの磁気テープについて、テープ自体の劣化だけでなく、再生するための機器が古くなって使えなくなるという問題があると説明しています(「国立国会図書館と資料保存」2026年1月、2026年10月13日確認)。再生できる機器が手元にあるうちに、デジタルのファイルにしておくと、聞き返したり、家族と分けたりしやすくなります。
まず、何が入っているかを確かめる
- 家にあるテープを集めて、ケースやラベルに書かれた文字を一覧に書き写します。
- 何が入っているか、わかる人に聞きます。「これは誰の声?」「いつごろ録ったもの?」という問いかけが、そのまま昔の話のきっかけになることもあります。
- 一覧の中から、デジタルにしたいものを選びます。全部を一度にしなくてかまいません。
カビが生えているもの、テープが切れていたり、たるんで外にはみ出していたりするものは、再生しないでください。 機器とテープの両方を傷めるおそれがあります。こうしたテープは、テープの修理やダビングを扱う専門の業者に相談します。
方法の比べ方
| 方法 | 向いている場合 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 手持ちのラジカセで再生し、スマートフォンで録る | 数本だけ。まず中身を聞いてみたい | 部屋の音も一緒に入る。音は少し悪くなる |
| カセットテープをデジタルにする機器を使う | 何本もある。自分の手元で作業したい | 保存先(USBメモリ・microSDカード・パソコン)と保存の形式を確かめる |
| ダビングを頼めるサービスに送る | 機器を買いたくない。傷んだテープがある | 料金、戻ってくるまでの期間、紛失したときの扱い、データの扱いを先に確かめる |
ラジカセとスマートフォンで録るとき
静かな部屋で、ラジカセのスピーカーの近くにスマートフォンを置いて録ります。置き方や試し録りのしかたは「親の話を録音する前の準備」と同じ考え方です。録っている間は、話しかけたり、物音を立てたりしないようにします。
デジタルにする機器を使うとき
カセットテープを再生しながら、USBメモリやmicroSDカードに直接保存できる機器や、パソコンにつないで取り込む機器があります。選ぶときは、次のことを販売ページの仕様で確かめます。
- どこに保存するか(USBメモリ、microSDカード、パソコン)。パソコンが要るかどうか
- どんな形式で保存されるか(MP3など)
- 電源(コンセント、乾電池)
- 返品や保証の条件
探すときは、こちらから:楽天市場でカセットテープをデジタルにする機器を探す広告/Yahoo!ショッピングでカセットテープをデジタルにする機器を探す広告
サービスに頼むとき
送る前に、テープの一覧と、ケースやラベルの写真を控えておきます。申し込む前に、料金、戻ってくるまでの期間、紛失や破損のときの扱い、できあがったデータの保存期間と削除のしかたを確かめます。
取り込むときのコツ
- 最初の1本は、数分だけ試します。 音の大きさや、雑音の入り方を聞いてから、残りを取り込みます。
- A面とB面を分けて保存します。 ファイル名に「A面」「B面」と入れておくと、あとで迷いません。
- 取り込んだら、すぐに聞き返します。 最後まで入っているか、途中で切れていないかを確かめます。
- 取り込みが終わっても、元のテープは捨てずに残しておきます。どうするかは、家族と相談して決めます。
ファイル名と控え
- ファイル名は「録った年ごろ_誰の声_内容_面」にそろえます(例:
1985ごろ_祖父_民謡_A面.mp3)。年がわからないときは、推測で書かずに「年不明」とします。 - パソコンなど、元の機器とは別の場所に、もう1つ控えを作ります。
- 家族と分けるときは、録音に入っている人に、分けてよいか確かめます。テープには、本人だけでなく、ほかの人の声や話も入っています。
文字にして、本に使う
デジタルにした声は、文字にすると、本の1章に使えます。方法は「録音した家族の話を文字にする方法」にまとめています。自動の文字起こしサービスを使う場合は、そのサービスが受け付けるファイルの形式を確かめます(たとえばWITH TEAM AI文字起こし広告は、wav・flac・mp4・mp3・m4a に対応と案内しています。2026年10月13日確認)。古いテープの音は聞き取りにくいことが多いので、自動で文字にしたものは、必ず元の音と照らし合わせます。
亡くなった人の声を本に使うときは、家族で話し合ってから決めます。本人が話していないことを書き足さず、聞き取れないところは「〔聞き取れない〕」と残します(「録音した話を文章にするときに残したい言葉」)。
元のテープのしまい方は「写真や手紙の原本を傷めずにしまう」も参考にしてください。ビデオテープや8ミリフィルムの映像は「古いビデオテープの家族の映像をDVDにする」にまとめています。
最後に、次のことを確かめておきましょう。
- テープのラベルを一覧に書き写し、何が入っているか聞いた
- カビや切れのあるテープは再生せず、分けておいた
- 最初の1本を数分だけ試し、音を確かめた
- A面・B面を分けて保存し、ファイル名をそろえた
- 控えを別の場所に作り、元のテープも残した
