読みもの

遺影に使う写真の選び方|手元の写真を確かめる手順と生前撮影

遺影に使う写真を、家族の手元の写真から選ぶときの確かめ方。顔の大きさ・ピント・ほかの人との重なり・撮ったときの元のデータかどうかの確認、スマートフォンの写真やメッセージで送られた画像の注意、遺影のサイズ、足りないときに写真店に相談する・生前に撮っておく場合の料金の例をまとめました。

手元の写真を、まず確かめる。 候補を集める:撮ったときの元データを探す。確かめる:顔の大きさ・ピント・重なり。決める:使う・店に相談・生前に撮る
この記事の要点をまとめた図解。詳しい手順と例は本文で確認できます。
家族の写真をまとめたアルバムと筆記具

遺影の写真は、葬儀の準備の中で、短い時間で決めなければならないことが多いものです。「よく笑っている写真を使いたい」と思っても、いざ探すと、顔が小さかったり、ピントが合っていなかったりして迷います。

先に結論を書きます。候補の写真を3枚ほど選んだら、「顔の大きさ」「ピント」「ほかの人との重なり」「元のデータかどうか」の4つを確かめます。 4つがそろっていれば手元の写真で作れることが多く、足りない場合は葬儀社や写真店に相談します。時間に余裕があるうちに準備するなら、本人と一緒に写真を選んだり、写真館で撮っておいたりする方法もあります。

この記事は、写真の選び方と準備に絞っています。葬儀の進め方や、仏壇・遺影を手放すときのことは扱いません(仏壇や遺影の扱いは、墓じまいのしるべの「墓じまいで仏壇・位牌はどうする?」にまとめています)。

候補を選ぶ

  • その人らしい表情の写真を、家族それぞれが1〜2枚ずつ挙げます。
  • 何年前の写真でなければならない、ということはありません。葬儀社の案内では、5〜10年前の写真が選ばれることもあると紹介されています(公益社「サイズや表情にも注意! 遺影にふさわしい写真の選び方」)。家族が「この人らしい」と思える写真を優先します。
  • 本人が生前に「この写真を使ってほしい」と言っていたものがあれば、それを最初の候補にします。

手元の写真を確かめる4つのこと

  • 顔の大きさ:写真の中で、顔がある程度大きく写っている(公益社の案内では、顔が10円玉より大きく写っている写真がよいとされています)
  • ピント:顔、特に目元にピントが合っていて、ぶれていない
  • 重なり:髪や肩が、ほかの人や物と重なっていない(重なっていると切り抜きが難しくなる)
  • 元のデータ:スマートフォンで撮った写真なら、撮った人の端末に元のデータが残っている

集合写真から一人だけを切り出すと、顔が小さく、ぼやけることがあります。公益社の案内でも、集合写真はぼやけることがあると書かれています。複数の候補があるなら、顔が大きく写っているほうを優先します。

スマートフォンの写真を使うとき

スマートフォンで撮った写真から遺影を作れる場合もあります。このとき気をつけたいのは、写真が送られてきた経路です。

  • メッセージのアプリや SNS を通して送られた画像、画面を撮った画像(スクリーンショット)は、元の写真より小さく圧縮されていることがあります(サンレー紫雲閣のコラム)。
  • 撮った本人の端末や、その人のクラウドの保存先から、元のデータを探して渡します。
  • どれくらいの画素数があればよいかは、印刷する大きさや作り方によって違います。葬儀社や写真店に、データを渡す前に確かめます。

亡くなった人のスマートフォンの中にある写真を使いたい場合は、端末のロックやアカウントの手続きが関わります。「亡くなった家族のスマホの写真を残す」をご覧ください。

遺影のサイズ

遺影のサイズに決まりはありませんが、祭壇に飾る四つ切と、仏壇用のL判を一組で用意するのが一般的と案内されています(公益社)。

使うところ よく使われる大きさの例
祭壇 四つ切り(254×305mm)
焼香台・仏壇 L判(89×127mm)、2L(127×178mm)など

大きさは、小さなお葬式の案内(「遺影のサイズにきまりはある?写真の選び方やサイズ変更の方法も紹介」)を参考にしました。実際の大きさは、葬儀社や式場によって違います。

背景や服装を変えたいとき

遺影では、写真の背景を無地にしたり、服装を整えたりする加工がよく行われます。加工でどこまでできるかは、葬儀社や写真店のサービスによって違います。

  • 背景を変える、服装を差し替える、といった加工ができると案内している葬儀社もあります(小さなお葬式の案内)。
  • 顔の表情や形を大きく変える加工は、家族が見たときに「その人らしくない」と感じることがあります。仕上がりを家族で確かめてから決めます。

色あせや傷のある古い写真を使う場合の直し方は、「色あせ・傷のある古い写真を直す」にまとめています。

生前に撮っておく

本人が元気なうちに、写真館で遺影用の写真を撮っておく人もいます。「生前遺影」「終活写真」などの名前で、写真館がサービスを用意しています。公式の案内の例です(2026年10月27日に確認。料金は税込)。

写真館 料金の例 含まれるもの
スタジオマリオ(カメラのキタムラ) スピードプラン 5,500円から L判のプリント2枚
同上 スピードプレミアムプラン 8,800円から 画像データ3枚、L判のプリント3枚
えがお写真館(東京・巣鴨) 生前遺影プラン 46,600円 ヘアメイク、データ2カット、四つ切の額とプリント、キャビネの額とL判のプリント(約2時間)

比べるときは、料金だけでなく「データがもらえるか」「額が含まれるか」「撮り直しや修正ができるか」を確かめます。データがあれば、葬儀のときに葬儀社へそのまま渡せます。

長寿のお祝いや記念日に、家族で写真を撮る機会をつくる方法もあります。「長寿祝いや記念日に家族写真を撮って残す」をご覧ください。

選んだ写真を、家族で共有しておく

選んだ写真は、家族の誰か一人だけが持つのではなく、元のデータのある場所を家族で共有しておきます。

  • 写真のデータは2か所以上に保存し、どこにあるかを家族に伝える
  • 紙の写真なら、封筒に「遺影の候補」と書いて、わかる場所にしまう
  • 本人と選んだ場合は、本人の希望も一緒に書き残しておく

この記事は、編集方針に沿って書いています。誤りに気づいたときは、問い合わせのページをご覧ください。