家族に伝えたいことは、ふだんの会話ではなかなか言葉にできないものです。手紙にしておくと、読む人が好きなときに、何度でも読み返せます。
この記事では、子や孫、家族に向けて手紙を残す方法をまとめます。自分が書く場合も、親に「手紙を書いてみない?」とすすめる場合も使えます。
エンディングノート・遺言との違い
| 種類 | 主な目的 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 家族への手紙 | 思い出や感謝、伝えたい考えを残す | 法的な効力はない |
| エンディングノート | 連絡先、口座、医療や葬儀の希望など、家族が困らないための情報を残す | 法的な効力はない。暗証番号などの扱いに注意 |
| 遺言 | 財産の分け方などを法的に決める | 決められた方式で作る必要がある。専門家に相談する |
財産の分け方や、法的に決めておきたいことは、手紙ではなく遺言で、専門家に相談して決めます。手紙には、気持ちや思い出を書きます。
何を書くか
伝えたいことを、全部書こうとしなくてかまいません。1通に1つのことを書くと、読む人にも伝わりやすくなります。
- 相手が生まれたとき、小さかったころのこと
- 相手と一緒にいて、うれしかったこと
- 自分が大切にしてきた考えや、仕事で学んだこと
- 家族の昔の話(自分の親や祖父母のこと)
- 「ありがとう」と言いたいこと
相手を責めることや、ほかの家族への不満は、手紙には書かないほうがよい場合があります。書いた手紙は、何年もたってから読まれることがあるからです。
書き出しの例
最初の1行が決まると、書きやすくなります。
「あなたが生まれた日のことを、書いておこうと思います」
「いつか読んでもらえたらと思って、この手紙を書いています」
「おじいちゃんが子どものころの話を、少しだけ書きます」
上手な文章にしようとせず、ふだん話している言葉で書きます。話すように書くほうが、その人らしさが残ります。
下書きと清書
- まず、思いつくことを箇条書きにします。
- 箇条書きから、いちばん伝えたいことを1つ選び、それを中心に書きます。
- 下書きは、パソコンやスマートフォン、このサイトの「1章づくり」でも作れます。
- 清書は、手書きでも印刷でもかまいません。手書きの字は、それ自体が残したいものになることがあります。
保管と渡し方
- 今すぐ渡すのか、何かの節目(成人、結婚など)に渡すのかを決めます。
- あとで渡す場合は、手紙があることと、しまってある場所を、信頼できる家族に伝えておきます。
- 封筒には、誰あての手紙か、いつ書いたかを書いておきます。
- 何通もある場合は、1つの箱やファイルにまとめておきます。
家族の本に入れるとき
家族の本の最後に、本人から家族への手紙を1ページ入れる方法もあります。
- 本人が書いた手紙を、本人の了承をもらって、そのまま載せます。言い回しを整えすぎないようにします。
- 手書きの手紙は、写真に撮って載せると、字の雰囲気が残ります。
- 親に書いてもらう場合は、無理にお願いせず、「書けたらでいいよ」と伝えます。
長寿のお祝いの本に入れる場合は、「還暦・古希・喜寿のお祝いに一冊を贈る」もあわせてご覧ください。
最後に、次のことを確かめておきましょう。
- 手紙を書く相手を1人決めた
- 財産など法的に決めたいことは、手紙ではなく遺言で考える
- 1通に、いちばん伝えたいことを1つ書いた
- 手紙の保管場所を、信頼できる家族に伝えた